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8月31日
もうくたびれてきたけど、つづき
どこかの国の教科書問題ではないが、「自虐的」に考えているばかりではない。自分自身の「画歴」に支配されているとは言え素直な感覚で、今時「テーマ」なんて信じられないのである。
今朝、「大レンブラント展」とかの宣伝が新聞にあった。間違いなく好きな画家のひとりだ。彼の現代に生きる魅力はテーマなんぞすっ飛ばして迫ってくるモチーフの存在感である。フローラもダナエも関係ない、引きつけるのはサスキアとヘンドリッキエだ。もちろん、テーマというクッションを入れて「妻の肖像」としなかったことも大切だとは思う。しかし、時代を越え、文化をも越えて伝わるのはテーマではなくモチーフである。テーマ不明の「名画」を私達はいっぱい持っているではないか。少なくとも私にとってテーマとは外部から強制される制作条件だ。
突然、反動的になってしまったが、「赤い糸」を信じるのでなければ、テーマを持つのはイラストレーターと売り絵画家だけとなる。 |
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8月29日
つづき
残念ながら非常に消極的な「モチーフ論」も説得力を持って存在する。私をはじめとして多くの画家がテーマを持てないのは事実でもアンゼルム・キーファーのような壮大なものから私的なもの(こちらの適当な例が、今、出てこない)までしっかりと自分のテーマを持って創作している画家だっているわけである。自分の場合は、受けてきた美術教育に対する恭順性、ここでの美術教育とは義務教育や高校教育での「美術」のことではなく、美術系大学受験を代表とする専門教育のこと、これによるもので、モチーフを強制的に与えられて短時間で制作を終わらせることに創作者としての基礎を作るであろう年頃の数年間を費やしてしまったためかもしれない。
統計的根拠など何もなく単なる思いつきだが、二十歳前後の多感な時期を普通大学等であれこれ悩んで過ごし一念発起して比較的入学のしやすい外国の大学で専門美術教育を受けた人に自分のテーマを持った良い作家が多いような気がする。要するに、テーマが無いのは自分の頭で考える癖を付けて来なかったからで、現代美術のテーマ紛失論なんて打ち上げるのは、それこそ自分の実情に即していない。これでは全くもって情けない。 |
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8月27日
つづき
近代以前、神話や歴史、風俗画の主要な要素として描かれた人物像を除けば、人物を描いたものとは概ね肖像画のこと指したと思う。しかし、現在、人物画は必ずしも特定の人の肖像画とはなっていない。モデルが誰かはっきりとしていてもである。セザンヌは「セザンヌ夫人」を何枚も描いているが、これらは果たして肖像画だろうか。そして、セザンヌ夫人は人の形の「典型」を提供する「モデル」でもない。彼女は画家によって発見された「モチーフ」なのだ。
昔、自己にとっての切実さから離れ、構成がどうの空間がどうのとステレオタイプなセザンヌ論を書いたことがある。しかし「現代美術の父」から実質的に受けた本当の影響は、テーマを持てない自分に新しい「モチーフ」という価値を示したことである。実際の制作を見れば、「モチーフ」が「テーマ」を生み出していた。だが、これは希に起こる幸運な例で、ほとんどは何も生むことなく終わるのだけれども。 |
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8月25日
つづき
志賀直哉の代表作「暗夜行路」の前編最後に胡蝶の夢の一節が出てくる。この夢の話を最初に知ったのは南伸坊氏のエッセイ「エッシャーなんか不思議じゃない」での引用だった。エッシャーのからくり絵画より人間が蝶になる夢を見たのか、それとも蝶が夢見ているのかと言う荘子の方がずっと神秘だと書いていた。また、中島みゆきが身近な人を亡くした時に作った曲「永久欠番」では宇宙的な時間の流れに対する人生の価値を問いかけている。
演劇や映画で役者がその役を生きる時間は相対的に僅かかも知れないが、「本当の自分探し」など信じない私は、どちらの「生」がより価値があるか、より真実か簡単には片づけられない。先日見たキューブリックの映画「アイズ ワイド シャット」、妻の妄想より夫の現実の方が奇譚である。(いったい何を書いているのか、つづくのかな?) |
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8月23日
これはアトリエで実際に履いている草鞋です。以下、前回の続編を書いてみました。
映画というのは文学よりも演劇に近い親戚だろう。鑑賞者は現実世界を離れて架空の世界に遊びたいわけだが、上手く騙して欲しいと願いながらもそれが嘘であることは心の底でわきまえておきたいものだ。演劇そして映画では俳優がその役割の多くを担う。パラレルな関係にある作品と現実を結びつける。絵描きのジャックは同時にデカプリオでなくてはいけない。
昨日、アップした油彩画「志賀直哉に寄せて・待つ」は、奈良にある志賀直哉邸を舞台として彼の悲劇的な小説に出てくる暗い影を持ったヒロインを意識して描いたものだ。「待つ」というタイトルの方は太宰作品から拝借していてまた別なイメージも絡ませてはいるが。ところが、実はこの小説の主人公に相貌を与えたくてこの絵を描いたのではない。最初の制作動機はある特定のモデルの顔をかいてみたかっただけである。
だから、彼女が小説のヒロインであるだけではダメなのであって、職場の同僚、家庭の主婦でなくてはならない。そうでなくては絵を描く気に全くならない。この世で最も魅力のない女性とは「理想の女性」のことだ。ネットのあちこちで見かけるアニメ調美少女はなんと虚無的に感じることだろう。(さらにつづくか?)
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8月21日
何を書くか判らずに書き出すのも良いと思う。専門学校の3DCGクラスで人体描写を中心としたデッサンを教えている。要するに仮想現実空間に「ターミネーター」を造れるようになろうと言う分けだ。当初、究極目標は俳優いらずの映画制作だと思っていた。それが実際に出来るかどうかは脇へ置いて。
制作中の人物画にひとつだけ現実のモデルから離れて架空人物を作ろうとしている作品がある。それが、どうにも我慢できなくなってきた。モデルとは単なる「典型」ではもうないようだ。それは近代絵画が生み出した新しい「モチーフ」なのだろう。
最近、人物画に稚拙ながらもフィクションを盛り込むよう努めている。かつて「文学的」とはあまり良くない、あるいは古い絵画表現を指していた。「音楽的」であるのが理想だった。そして今、映画の方向へ流れ出した。映画について詳しくもないしファンでもないが。(つづく、、、、かも?) |
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8月19日
昨日、仕事が終わって大理石パレットをブラッシクリーナーで掃除中、異臭がして気分が悪くなってきました。どうやらこの夏の暑さでクリーナーが腐ったらしいっす。吐き気もするし、アトリエを通る時は息を止めてダッシュしてました。一晩、換気扇を回しっぱなしにして今朝やっと臭いが我慢できる程度に戻りましたよ。今年の冬、夏越しの灯油は暖房器具に使わない方が良いですね。 |
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8月16日
モチーフにコントラストがあった方が描きやすいし「効果的」だけど、軟調で湿った空気こそ表現したいもの。無名の監督が撮った短編映画を見ながら考えました。ブロードバンドコンテンツでArtやCGは別に見たくありませんがCinemaは結構見ます。最近、写真や映画を撮る才能が無いので絵を描いているんじゃないかと思うんです。 |
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8月14日
ビデオで「コレリ大尉のマンドリン」を見ました。ラストがハッピイエンドでなければもっと印象深いものになったのにと思いましたね。「奇跡」が少し安っぽいです。ヒロインの心理変化もじっくり描いて欲しいすよ。父親が語り手なのはとても気に入りました。一応「佳作」なんでしょうか。20世紀の100冊に入ると言われているロングセラーの原作を読んでみようかな。でも、20世紀のNo.1が4月から止まったまんまでした。
今日の絵はPainterでなく同じようなことをPhotoshopでやってみましたが、やはり本家には敵いません。画面左遠景に見える岩を描いたデッサンをアップしてますのでデッサンコーナーも見てくださいね。 |
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8月12日
ここを直接ブックマークしてくれる方がいるのは嬉しいですが、ホームページ本体も見てください。今日は室生寺シリーズ「灌頂堂」を更新しました。以前あわててアップしたみたいで気にくわなかったんですよ。その後、耐水ペーパーで削って加筆しました。PDFも入れ替えてます。
上の絵は「海岸線」の超クローズアップです。 |
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